どうも、更新が1週間ぶりくらいになってしまいました。
今回はBlenderに限らず、多くの3DCGソフトに組み込まれている「物理シミュレーション」の利用方法
についてお話しします。
そもそも物理シミュレーションって何でしょ?
その名の通り、自然界で一般的に見られる現象を再現できる機能です。
例を挙げるとすれば、
・水の流れ
・硬い地面の上で跳ねるボール
・風で動く旗
なんて正にそうでしょう。
最近、内輪でやってる勉強会でも度々これを扱うんですが、初めての方からこんな質問を受けました。
「物理シミュレーションで数億年後の星の動きとかって再現できますか?」
一般的に「物理シミュレーション」と聞くと、スパコン「京」がはじき出すような
宇宙の真理の解明的なものを思い浮かべるかもしれませんが、そうではありません。
3DCGにおける物理シミュレーションとは、あくまでも
「よりリアルに見せる」
ために使うのが目的であり、新たな理論の実証などに使うのには向きません。
その手の類は、ラボのPCで専用のソフトが有るはずです。
いや、そもそも宇宙うんぬんのレベルになると、専門のCoderが居ないと不可能でしょう。
例えば、「リアルに見せる」目的の動画として以下のようなものがあります。
これらシミュレーションを3DCGで再現することは何も難しいことはありません。
基本的には数値入力とボタンクリックしかやりません。
「流体シミュレーション」
「剛体シミュレーション」
では、Science CGにおける物理シミュレーションとは、どういう役割があるのでしょうか?
それはまさしく、「研究・実験のコンセプトをイメージする & 説明する」
これに尽きます。
言い換えれば、「物理的な原理に基づいた新しい実験系」を再現する時に有用です。
例えば、粘土の高い流体が、粘度の低い流体とぶつかるとどのように混ざるのか?
それによって得られたシミュレーションから何か実験系の土台になるヒントが説明できないか?。
そんな時に一番の効果を発揮します。
実際、僕の先輩もBlenderの物理シミュレーションから得られた結果を見て
よく新しいバイオ実験系を考えていたりしました。
ここでのシミュレーション結果は物理学を専攻する人々からすれば、至極当たり前のことかもしれません。
しかし、これが他の分野の研究者にとってはチンプンカンプンになることがほとんどです。
特にバイオ系の研究者はこの手の内容をパッとイメージすることに苦手意識を持つ人も多いです。
それを具体的な状態なイメージで落とし込み、実験系をイメージするにはこの手法はもってこいです。
そしてそれを、仲間に見せることで二次イラストでは伝わりにくい部分が浮き彫りになります。
そうすれば、実験系についてより具体的な意見を貰える可能性だって増えていきます。
今後も少しずつ物理シミュレーション利用方法を探求したいと思ってます。
ではでは。