培養X年目の与太話

培養、与太話

細胞培養と与太話で生きてます。

【視覚化をより高い次元で!】データ視覚化の課題と今後の動向

おはようございます。 今朝は目覚まし時計を掛けずに寝ましたが、いつもより目覚めが良い。 そんな朝です。 さてさて突然ですが、昨今のScience CG技術は「魅せる科学」として発展してきています。 しかし、ただ魅せるだけを目指していては不十分でしょう。 科学の研究というのは必ず「データ」が存在します。 しかしそのデータというのも分野によって千差万別。 バイオ実験における蛍光顕微鏡のような分かり易い物ならまだしも、 物理学系(量子力学統計力学など)の複雑なデータは素人の目にはどうにも理解しにくい。 そこで出てくるのが「データ視覚化」という手法です。 その名の通り、「データ視覚化」とは膨大なデータを3次元モデルに落とし込むなどして データの特徴を分かり易く表示することです。 例えば、等高線3Dデータは3次元座標系のcsv.表現されています。 数値のみでは何がなんだかサッパリという感じですが、 これを3次元にプロットすることで土地の形状(山なのか谷なのか?)がはっきりします。 これは他の分野でも同じです。 例えば、Mark Pitmanさんという方は流体力学的に得られたデータを3次元モデルに落とし込む 手法を動画サイトで紹介しています。彼の紹介動画は他にも多数用意されています。 残念ながら、現状のBlenderを使ったデータ視覚化は流体力学といった特定の分野に偏っています。 不可能というわけでは無いにしても、万人が簡単に使うための方法が確立されていないという状況です。 これは一般の研究者がBlenderを活用するという流れが未だ無いという部分もあります。 むしろBlenderどころか、3DCGを活用するという動き自体もまだまだ浸透していませんが。 しかし昨年より、ドイツにて科学に特化したBlenderツールの開発プロジェクトが始まっており、 今後はより幅広い分野への応用が可能になってくると予想されます。 Blender Scientific 3D Visualization Science Blender.png このサイトを見る限り、元素周期表を3Dで表現するぐらいのところまでは既に達成しているらしい。 データ視覚化ではないけれど。 理想としては、データをインポートして読み込ませればデータ形式にあった形状やグラフを 瞬時に表示してくれると有り難いものです。 重要なのは、一切のコーディング無しで全ての科学者にも使えるツールになると尚良しでしょう。 現在このプロジェクトでは、サイエンティフィックな知識部分をサポートしてくれる研究者と 専門(多分 C++Python)のCoderを募集しているところです。 世界中から人材が集まってくれると嬉しい物です。 勿論、僕もその1人として邁進していきますが。 ではでは。