培養X年目の与太話

培養、与太話

細胞培養と与太話で生きてます。

プロポーショナル編集でニュアンス付けをやってみた。

今日は少しだけテクニック寄りの内容を書こうと思います。 最近、個人制作で腸の細胞の模式図を作ってみようと思いました。 デフォルメの立方体を編集モードで変形させて、とりあえず下の様な物が出来上がりました。 突起は繊毛と言われ、細胞表面積を大きくし栄養吸収を効率にするために存在するとされます。 腸管細胞 デフォ.png これはこれで悪くは無いのですが、どうにも有機的ではない印象がします。 どちらかと言えば、ただの数学の図形問題を見ているような印象です。 実際の細胞はもっとウネウネとした、イビツな形をしているはずです。 今回はより有機的な形状を作り上げるために「プロポーショナル編集」を用いてみました。 proportional edit.png Blenderには初めからこの機能が備わっており、クリックひとつで編集作業に移行できます。 なぜプロポーショナル編集が良いかと言うと、ある一部分のメッシュを変形させると そこに附随するメッシュまでもが変形の影響を受けるからです。 1つのメッシュを動かすよりも効率的に有機的形状が制作できます。 下の画像が編集後の細胞モデルです。 腸管 編集後.png より細胞らしいウネウネとした形状になったと思います。 見栄え良く作るためには更に加工する必要がありますが、PCの性能の問題もあり行いませんでした。 そしてこのモデルを並べ、腸管壁をイメージしてみました。 tyoukan.png tyoukan2.png 最近、制作案件を請け負っていて分かりましたが、モデル形状が少し違うだけで 見た人には異なる印象を与えます。モデル形状は画像出力時の光の反射・透過にも 影響を及ぼすためです。今回の手法もそうですが、 「3DCG制作ってテクニックを使いこなせるか?」以前に 「テクニックを知っているかいないか?」なんですよね。 それではまたまた。