培養X年目の与太話

培養、与太話

細胞培養と与太話で生きてます。

「光の操作のみで・・・」 「背景画像を設定するだけで・・・」 というお話

画像の見栄え向上のテクニックを探していたら、新たな発見があったのでお知らせします。 勿論、Science CGは正確さが第一。正直言えば見栄えは二の次になることが多いです。 しかし、画像の見栄えが良い方が注目を浴びやすいことは事実。 ポスター発表でも、なんやかんや目を引くポスターが注目を浴びることになるのは、 学会に参加経験のある研究者の方々なら、なんとなく身に覚えがあるのでは? 具体的なお話として「環境設定」というものがあります。 環境設定とは、「背景画像」「光・照明」の設定を行うことです。 ここでの照明とは、3D空間内に配置する疑似的な照明を指します。 1.背景画像 6.image.png 僕が普段使っているBlenderでは、背景に画像を貼りつけることが出来ます。 例えば上の画像を見て下さい。宇宙空間に人工衛星と地球があるのが分かると思います。 ですがこれ、宇宙空間は3DCGで作ったものではありません。 ただの宇宙画像の無料素材を貼りつけただけです。 なので制作時間も15分程度です。 この画像を普通にフルCGで作ろうとなれば、手練れの職人が数時間掛けて作ることになります。 ですが、研究者という身分である僕としては、あまり制作に時間は掛けたくないのが実情です。 なので「そこは楽しようぜ!!」という発想に至ることになります。 しかし、その楽をしてこれだけの見栄えの良いCG図画が制作可能なのです。 2.照明・光の設定 次に光の効果です。これを完璧に制御するのには、それだけで本1冊ができるレベルなので割愛します。 しかし、特に重要なパラメータとしては「証明の種類」、「光の強さ」、「証明の位置」の 3つになります。 (1)全体的に明るい、ヘミ光源を1個配置 ennsyu4.3.png 空間全体がほぼ等しく明るくなるため、ややベタ塗感が強い。 棒の物体には光の反射・屈折の物理演算を加えているのですが、あまり反映されないご様子。 (2)点光源(Point Light)1個配置 ennsyu4.2.png 点光源については、豆電球をイメージして貰えれば、だいたいOK。 非常に明暗や影がハッキリする。 1個しか配置していないので、全体的に暗い。 ヘミ光源よりも、届く光の強弱が明確なので透明やガラスっぽい質感も把握しやすい。 (3)新たに点光源を1個追加 ennsyu4.1.png 空間内の光量が増えたため、全体的に明るくなった。 手前側の物体の質感が分かり易くなっている。 このように、光を操作するだけで見栄えは大きく変化します。 最近、映像制作の専門家の人と話す機会がありましたが、撮影の世界でも 光の具合を調整するのには専門的な知識と経験が必要とのこと。 専門用語で "ライティング Lighting" というらしく、強さの違う複数の光源 「主光源」「副光源」を配置するのは見栄え向上を狙う際の常套手段らしい。 照明技師なんて役職の人がいるのも頷ける。 以上ですな。 では、またまた。 次回は僕が講師を務めるScience CG塾の話でも書きましょうかね。