培養X年目の与太話

培養、与太話

細胞培養と与太話で生きてます。

培養の「当たり前」に目を向ける

                                            

 

仕事で毎日のように培養液を使っている。

培養液とは動物細胞を生かしたり増やしたりするための液体で、培地とも呼ばれる。

ラボでは超がつくほどの消耗品だから、大抵は薬品用の冷蔵庫に入っている。

実験者は使う時に冷蔵庫から取るだけで良い。

ありふれたモノだからか、培養液の中身の成分に意識を向ける機会は少ない。

 

以前、とある仕事で培養液を試作することがあった。

市販で売られている培地の中には、動物由来の原料を極力減らすために

栄養素が豊富に含まれるものがある。

有名どころだと、DMEM/Ham's-F12がある。

あのiPS細胞の専用培養液も同じような成分が入っている。

 

そんな時期に昼ごはんにBase Foodを食べていた。

食べながらパッケージ裏の成分組成を眺めていたら

中身が培養液の成分組成に(完全でないが)かなり似ていることに気がついた。

もっといえば、スーパーマーケットで売っているサプリメント

似たような栄養で構成されている商品が多い。

basefood.co.jp

 

考えてみれば当たり前だ。

人体は細胞で構成されている。

その人体が1日で必要な栄養素が決められているのであれば、

細胞レベルで見ても必要な栄養素が決まっているはずだ。

しかも、栄養の種類はある程度は多ければ多いほど良いのも自然な話だ。

 

もともと培養液は、細胞を体外で生かすため、

体液成分を再現するところから着想を得ている。

体液成分を完全体とするならば、

それは限りなく栄養成分を入れたモノだと考えるのも自然な流れかもしれない。

 

そんな当たり前のことに今更気づいたんですね

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