多孔質フィルムを作製するBreath Figure法
ホントに久しぶりの投稿になってしまいました。
最近、研究をしていて面白い実験手法が発表されていたので書いてみます。
突然ですが、「多孔質フィルム」と聞いてイメージは湧くでしょうか?
下の画像のような、細かな穴が無数に空いた構造のフィルムです。
蓮の葉の表面の微細構造を人工的に模倣することにより、超撥水性の材料を
作る研究などが実際に行われています。
ところでこの構造、どうやって作るのでしょうか?
そのカギとなる手法が「Breath Figure Method」という手法です。
これは揮発性の高い有機溶媒と、実験環境中の水蒸気の相互作用を利用したものです。
有機溶媒の気化熱により、フィルム表面が冷却され水蒸気中の水分子が凝集します。
さらに有機溶媒が揮発すると同時にフィルム表面の水分子までがはじけ飛び、
細かな穴が空く、という仕組みです。
材料作製はなるべく簡便な方法であることが望まれます。
その方が様々な物へ応用が利きやすいですし、産業への実装も簡単だからです。
さらに言えば、Breath Figure Method という手法はフィルムだけでなく様々な材料への
応用が可能です。詳しくは調べてみて下さい!
ではでは。
参考文献
「自己組織化ハニカムマスクを用いたバイオミメティック表面を有するシリコン基板の作製」