培養X年目の与太話

培養、与太話

細胞培養と与太話で生きてます。

Science CGがVR向けだと思う3つの理由

実験が積み重なって随分更新が遅くなってしまいました。 つい2週間ほど前のこと、久々に秋葉原に仲間と繰り出した時のこと.... とあるPCショップで "VR(バーチャルリアリティー)専用" PCなるものを発見しました。 他の機種でもVRを体験することは可能ではありますが、性能やUSB接続数などの仕様によっては 出来ないPCもチラホラ、という現状を打破するために作られたものらしいです。 しかも少しずつ値段も下がってきている。(それでも¥15万程はしますが・・・・) これならVR体験をScience 方面に活用するのも楽になっていくのでは?などと考えてました。 その後、仲間と議論を重ねる内に 「もしかすると、 Science CGって他のジャンルに比べてVRに向きなんじゃないか?」 みたいな話になりました。 今回はそんな内容を紹介します。 014_m.jpg (画像は http://gigazine.net/news/20140320-oculus-rift-dk2/より引用) 1.体験時間が短い 「VRがキテル」ということは既に世間一般で言われていることですが、やはり問題はあります。 それがVR酔いです。VR映像というものは、その画像の粗さや焦点距離の問題などから 長時間の市長により頭痛や目眩を起こす可能性が高いのが現状です。 VRで楽しもうと開発が進んでいるジャンルとしてゲームが筆頭に挙がりますが、 ゲームはプレイ時間が長くなりがちなコンテンツであり1時間単位での体験が難しいとされています。 一方で、Sciece CG は「科学的な説明する為のコンテンツ」として利用する為、長時間の使用を想定していません。どんなに長くても3分以内には収まるイメージでしょう。長時間説明されてしまうと、体験者にとっても伝わるべきことがボヤけてしまいますし。 ゲームは「感動させる、楽しませる」ことを目的としていますが、Science 用途ではそれらの要素は必ずしも必要無いのです。 ※以前チームで制作したマウスのニューロンの様子。掲載にあたり敢えて画質を下げています。これをVRで見ると神経細胞の繋がりが立体的に体感できます。 2.ハイエンドな画質は必ずしも必要ない。 これも現状のVRの課題でもありますが、画質がPCやHMD(Head Mount Display)といったハードウェアの性能に依存するという点があります。ゲームなどのエンターテインメント分野では高い没入感が求められるため、使用するPCも¥数十万単位の価格に跳ね上がります。 その点 Science用途では、没入感は必ずしも必要でないと予想されます。 どんなものを体験するか?説明するか?によって求める画質はマチマチではありますが、科学的な現象を実体物として捉え、説明するには数年前のPCで出力する画質で十分です。 3.初期投資が少なくて済む 前項までで既に言及している様に、Science CG の VR使用では必ずしも高いクオリティーは求められません。 これは言い換えれば、実際にコンテンツを開発・体験するための初期費用も相対的に安く抑えることが出来ることになります。OculusやHTC VIVEのような高機能なディスプレイを使う必要はなく、むしろ"ハコスコ""Google Cardboard"のような¥1,000~2,000で購入出来てしまうもので済むのです。 ハコスコ ハコスコ.png (画像は http://hacosco.com/ より引用) Google Cardboard Google-Cardboard.jpg (画像は https://vr.google.com/cardboard/ より引用) 安く済むという点では、Science CG VRは大学と言った教育機関での利用も十分に考えられるはずです。企業であればまだしも、大学の研究室で高機能なハードウェアを購入するのは予算上難しいのが現実です。数千円で済むのであれば、オープンキャンパスや新入生の研究室見学向けのコンテンツとしての利用も手の届く範囲に入ります。 以上が今週考えたことのまとめです。 もちろん、全てのScience系コンテンツでこれが当てはまる、というわけではありません。 重要なのは「何を目的にVR化するのか?」という部分です。 この点については、今後制作をしていく過程で試行錯誤を繰り返す必要がありそうです。 ではでは。