培養X年目の与太話

培養、与太話

細胞培養と与太話で生きてます。

それ、本当に面白かった?? 科学技術を面白くする創作物の共通点

新しい科学技術を伝える際には、どんな方法が良いのでしょうか?
1つの方法としてマンガやアニメ、小説といった「創作物」があります。
小中学生向けの図書でも、科学技術を分かり説明してくれる漫画は多くあります。

 

 

しかし・・・・・・・・・

 

 

 

 

本当に面白いもの、印象に残るものは

どれくらいあるでしょうか?

 

 

 

科学は分かり易く伝わる。これは確かです。
しかし、そのほとんどが「単に技術を分かり易く説明する」だけで終わってしまっているような気がしてなりません。
読み手に「俺もこの技術開発に貢献したい!!」と鼓舞するような作品は非常に少なく感じます。

 

 

 

 

科学技術を伝える創作物って実際どうよ?? 

 

これを考える切っ掛けになったのが、Shojinmeat Project代表のハニューの
ツイートでした。

 

 

 

今後僕らがイメージする「細胞ものづくり」を広めていくうえで、技術の未来を伝えていくことの重要性は議論するまでもありません。 全く新しい分野なら尚更です。
多くの人達と一緒に推進させなくては実現不可能である以上、同じ未来を共有したいものです。

 

 

 

実際、創作物によっても様々な科学技術が訴求されています。
例えば以下のような例があります。実際にこれらの作品を観たのをきっかけに、
「VR研究・開発に目覚めた」
「物理学科で宇宙開発系の研究室を選んだ」
という人もいるかと思います。

f:id:ibunyayugo:20170210114042j:plain

 

では、なぜ創作物は強い訴求力を発揮するのでしょうか?
それを考えるために、幾つか前振りになります。

 


例えばAR(拡張現実)では、PVや広告などで「これができます。あれができます」などと説明をすることが多く見受けられますが、ぶっちゃけ・・・・・

 

f:id:ibunyayugo:20170210113925j:plain

 

 

 

「これを観ろ!!」の一言で終了します。
「電脳コイル」はAR(拡張現実)が浸透した世界を舞台にしたアニメです。
ここで重要なのは「浸透した」という部分です。
それを前提にした世界設定が与える、登場人物たちの行動や心情の動きが
あるからこそ受け手に強く訴求します。

 

宇宙開発であれば、「プラネテス」があります。
宇宙開発が進んだ世界に生きる主人公の行動を描いています。

f:id:ibunyayugo:20170210113943j:plain

 

 

他にもアニメのサイコパスも絶好の資料になり得ます。
このアニメではシビュラシステムという人工知能によって確立された社会を背景に
物語が進行します。

 

技術が物語のバックグラウンドにあり、それによって登場人物たちの心情に
どのような影響を与えるか? 
この部分を生々しく描いているように感じました。だからこそ話に引き込まれる。
実際、サイコパスに影響されて人工知能を研究し始めた方も多いでしょう。

psycho-pass.com

 

 

 

さて、ここから本題です。
これらの作品に共通している点は、
「強固な世界観が成立している」ということです。
それが作品の完成度となり、最終的には技術情報としての
「拡散されやすさ、言及されやすさ」が達成されるわけです。

 

 

科学技術を伝える場合、脚本や原作者の能力もそうですが、
「科学者がどれだけコミットできるか?」
「科学者がどれだけ強固な未来の世界観を語れるか?」
にも係ってくるでしょう。

 

 

そして更に言えば、
「クリエイタ―の発想をどこまで許容できるか?」も重要な要素になると思われます。
科学者サイドは創作のノウハウを持っていないことがほとんどです。
それなのに、科学者の一方的な都合でストーリーを構築していった場合、
出来上がるのは創作物ではなく、ただの「広報物」になりかねません。

 

 

まずは伝えるべきメッセージをしっかりと決める。
それを伝える為の素材を科学者がクリエイターに提供する。
クリエイター独自の発想によって、創作物が肉付けされていく。
それによって初めて、エッジの効いた創作物になるのだと考えました。

 

f:id:ibunyayugo:20170210114014j:plain

 

 

ちなみに純肉(培養肉)についてですが、小説投稿サイト「カクヨム」にて
実際にこれをテーマにしたものを見つけました。1話完結で読み易い。
この話も「純肉」が浸透した世界を舞台にストーリーが進行します。
純肉普及によって人々の価値観がどのように変わったか?
どのような新しい制度や法律ができあがったか?
研究している自分自身にも、まだ想像したことのない世界が描かれています。
いつか僕も創作物に手を出す際は、
こういう世界観をどんどん出していけたらと思います。

kakuyomu.jp

 

 

 

今回のまとめ

創作物で科学技術を語りたいなら、まずは科学者が頑張れ!!

 

 

 

 

 

 

 

最後に・・・・
「技術が普及した後の世界設定で創作物を出す」例として、こんなモノが
ありました。現状で僕がやりたいイメージに一番近かったです。

kakuyasu-sumahogakuen.com

 

 

それではまた。

Shojinmeat Projectの状況を時系列で追ってみた。~2016年総括と2017年出だし~

色々あったぜ!2016年

2017年が始まってからかれこれ2か月が過ぎようとしています。
そんなわけで去年のことを今一度振り返りつつ、今後を考えようと思いました。

 

去年の大きな動きとしては、やはり「同人誌」の執筆・頒布がありました。
これは広報の点でも仲間集めの点でも、非常に大きな効果を発揮しました。
事実、これをやったあとでネット上での培養肉の議論が多く見られるようになってます。

 

f:id:ibunyayugo:20170226164251j:plain

 

 

簡単に去年のことを時系列にまとめてみました。

www.slideshare.net

 

 

今後の方針としては、
「半年に1回は同人誌新刊を頒布する」は崩さない方向でやっていこうと思います。
これはもう僕らのパーソナリティーとして確立しつつあるものであり、
これが無ければ死んだも同然レベルで考えているからです。

 

僕らが描いている夢や未来予想図は、きっと誰かの未来予想図でもあると思っています。同じ夢を共有できる仲間を増やしていくことは、今度重要な課題でしょう。

 

 

 

色々ありそうだぜ!2017年

さて、2017年ですが始まって2か月ではあるものの色々起こっています。
まず、ニコニコ技術部繋がりの人と共同で「卓上純肉製造装置」の試作機をつくることになりました。

 

アイディアよりも実物重視なので、未発達でも創っておくことにしました。
僕らの未来への妄想を加速させるきっかけにもなります。

f:id:ibunyayugo:20170227142225j:plain

 

 

またこれはつい先日のことになりますが、Shojinmeat 代表の羽生が出場した
シンギュラリティ大学のピッチイベントで最優秀賞を獲得しました!!
スライドはこちらに公開されています。

 

 

www.slideshare.net

 

 

 

後日、直ぐに大会のレポート記事が投稿されていました。
またもや羽生が「年収60万 実家暮らし いない歴=年齢」というパーソナリティーを全開させていたことが分かりました。

 

出場者の中で、最も色々捨ててる感じがにじみ出ていたのが効いたらしいです。

 

homilog.hatenablog.com

 

 

そんなわけで、結構良い滑り出しを見せているShojinmeatです。
今年も「精進」していこうと思います。

 

おあとがよろしいようで。。。 

 

 

------------------------その他の関連記事はこちら---------------------------------------

twipla.jp

 

togetter.com

 

 

VR動画「火星培養食糧工場」を公開しました!!

お久しぶりです。
つい昨日のことですが、Shojinmeat が「火星培養食糧工場」の紹介動画(VR)を公開しました。

 

レンダリングにどの位掛かったのだろう?と思いつつ、未来の世界に思いを馳せることになりました。設定は西暦2200年なんですが、あと50年以内に出来ないかな?

 

 

 

VRにしろ、そうでないにしろ、動画で説明できるのは強みだと感じました。
実際、海外の純肉開発団体でも未来の様子を描けているところは少ないようなので。

 

 

そして時を同じくして、Shojinmeat Projectがアメリカの代替食糧推進NPO団体の
New Harvestのサイトで紹介されました。インタビュー記事です。

 

www.new-harvest.org

 

 

 

アメンバーが全員乙女ゲー風のイラストで紹介される異様な状態ですが、
「日本発」を意識した結果なので当然です。
腐女子の方に描いて頂きました。ありがとうございます。)

f:id:ibunyayugo:20170224113644j:plain

 

今年中に自分の絵も出てくるんだろうか?と期待しています。
そしてその絵でクソコラ画像を作って貰えることも期待します。

 

それではまた。

イベント出ます ~3月編~

 

f:id:ibunyayugo:20170205221841p:plain

 

こんにちは、Keitaです。
3月にいくつかのイベントに出ることになりましたので、ご報告します。

 

 

1.NT京都(ニコニコ技術部展示会)

3/18~19で京都にて行われる。ニコニコ技術部の展示会です。
通称「才能の無駄遣い」「技術の無駄遣い」と言われているかは分かりませんが、
とにかくネタに走ったものづくりを体感できます。

 

過去のイベント記事はこちら

makezine.jp

 

3/18~19で行うイベント情報はこちら

僕はShojinmeat Projectとして「卓上培養器コンセプト実証機」を試作して持って行きます。西暦2200年には一般家庭にも普及しているであろう、「卓上純肉製造機」の初号機になると期待しています。

 

てか2200年とはいわず、2050年くらいには普及していてくれると有り難いのですが。 

 

うちの代表もテンションが上がっている様で・・・。

 

 

 

 

2017年のイベント情報はこちら

NT京都2017 - PukiWiki

 

 

 

 

2.株式会社リバネス超異分野学会 本大会

 

科学系ベンチャー 株式会社リバネスが主催する学会(第5回)になります。
僕はScience CGを中心にした「研究者による3Dデータ使用」についてポスター発表します。

今回はShojinmeat Projectからも純肉関連で2つ、他のメンバーの独自の研究で1つ出すので、内輪だけでも4つの演題を登録しています。
うちらだけだぞ。こんなのww

 

こちらもNT京都と同様、様々な分野や課題を引っ提げた研究者の集まりになっており
毎年カオスを極めます。

 

実は昨年も出た経験があり、これで参戦は3年連続だったりします。

sciencecg.seesaa.net

 

 

興味を持たれた方は是非見に来て下さい。
研究者は基本タダ、となっています。

 

 

イベント情報はこちらから

第6回 超異分野学会 本大会 | 超異分野学会

 

 

 

準備の時間が限られているので少々焦り気味ではありますが、
どちらのイベントも楽しみです!!

 

 

リバネスについて

techplanter.com

研究室ホームページのデザインを手伝った件

 f:id:ibunyayugo:20170204180702j:plain

Freepikによるデザイン

 

 

今回は研究室の自己紹介ページを作る際の参考になる情報をご紹介します。

 

 

Keitaです。最近面白い活動をやったので、報告をしようと思います。
先月、とある大学院生の知り合いから研究室自己紹介ページの改定を頼まれました。
彼はこれから海外の大学の博士課程へ進学を希望しており、そのために研究室HPにある自分の紹介ページを改善したかったらしい。

 

というのも海外の大学では自己アピールを日本以上に重要視するらしく、
受け入れ側(入試担当)がウェブサイトをチェックするのだとか。
ビデオメッセージを送るように指定してくることも多いのも事実とのことです。

 

お互いにアイディアを出し合いながら、格闘すること1週間。
何とかページが出来上がりました。

http://sakailab.iis.u-tokyo.ac.jp/members/hayakawa/daichihayakawa.html

 

さて今回の取り組みで、主に3つのことが分かりました。

 

 

 

1.直感的に分かる画像を使うと良い。

サイトを見てくれる人間のほとんどが全くの異分野、または研究そのものに触れたことのない人間であることが多いでしょう。そんな人たちがサイトを訪問してくれた時を想定すると、やはり直感的に研究がイメージできる画像が1枚でもあった方が良い。

 

当然といえばそうなのですが、図の作り方自体にノウハウがあるので、
それはまたの機会に。

 

このページには僕が手伝ったCG画像も埋め込まれています。
初めて聞く研究内容でしたが、物理化学も習ったこともあり何となく研究のイメージは湧きました。

http://sakailab.iis.u-tokyo.ac.jp/members/hayakawa/research.html

 

 

2.Slideshare は使い勝手が良い!! 

研究内容の詳細を掲載する際には、ある程度体系的にまとまった内容を載せたいもの。しかし、サイト用に再度研究内容をまとめるのは時間が掛かります。
そこで過去に学会にて使用した発表スライドを載せると良いでしょう。
勿論、ボスの許可を取ったうえでですが。

 

Slideshareというサービスをご存知でしょうか?
個人で作成したスライド(パワポやPDF)を公開して共有できるサイトです。

www.slideshare.net

 

 

しかもこのサイトの凄いところは、公開したスライドを別のサイトに貼り付けることができる点にあります。

 

埋め込み方法はこちらから

raining.bear-life.com

 

 

 

 3.HTMLは勉強しておいて損はない。むしろ出来た方が得。

改善前の状態が残っておらず前後で比較が出来ないのが惜しいところですが、サイトを構築するうえでHTMLは勉強しておいた方が良いと分かりました。これも当然なのですが。

 

最近は大体のHTMLソースの型がネット上に落ちていることもありますが、
それを使いこなすにもある程度知識は持っていた方がやり易いところがあります。
少しこだわったデザインにしたいならば尚更ですね。

 

 

僕も勉強中ですが、Progateというサービスで受けるオンライン講座は参考になります。大学のプログラミングの単位を落とした僕にでも取り掛かりやすい内容です。

prog-8.com

 

 

 

以上が今回の取り組みで得られた気付きです。
研究室ホームページを改築する際は、是非参考にしてみてください。

 

ではまた。

 

 

研究の視覚化についてはこちらまで

scigra.com